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by ebisu_roppongi
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氷解

「氷解」(平野啓一郎)講談社文庫

短編集 高瀬川のうちの 1編



本当の母親の影を追い求める 少年と
不倫相手の男の息子の影におびえる(?) 女

が、それぞれの思いを持ちながら、接近していく様子を描いたもの。

ただし、最終的な接点はほとんどない。


二人の登場人物がいて、それぞれが主役として、各章を進めていって、つながる。

そういった構成は、よくあるのですが、

氷解では、 それぞれの章が、 ページの上段・下段 で進んでいく。

何となく、リズム感も一致している。

そういった意味で、書き手は 緻密に構成している。

もちろん、読み手は、ページの上段・下段 を同時に読むことはできないので、
ざっくりと、読書を進めていくことになる。
だからこそ、内容があまり重くないのは救いになります。

チャレンジとしては、面白い

そんな作品です。
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# by ebisu_roppongi | 2010-04-21 15:51 |

高瀬川

「高瀬川」(平野啓一郎)講談社文庫
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若い小説家と、美人編集者の情事(SEX)を詳細に描いた作品。

私小説を書かないと、wikipedia にあったので、意外な感じもしました。


読み進めると、
これは 私小説ではないようです。

情事の描写を徹底的にこだわった純文学。

もちろん R-18 指定 笑

最後のところで、高瀬川に女のトラウマの詰まった下着を流し、
トラウマを取り去ったようでいながら
すぐに引っかかって流れていなかったところに
女の 儚さを感じた。

一方で、淡々と情事を済ましてしまった 小説家の目線には

男として 共感を覚えます。
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# by ebisu_roppongi | 2010-04-20 15:51 |
温泉エッセイストの山崎まゆみさんが
湯河原 湯楽 で講演会をされるそうです

11/15日(日)
講演テーマは
数多くの文士たちが愛した湯河原温泉とその関わり合いを中心に、
文学と温泉にまつわるエピソードを交えて
だそうです。

山崎まゆみさんは 混浴 の人 だと思っていましたが、
だから混浴はやめられない http://otemati.exblog.jp/11945560/

温泉全般に詳しい方で、
Yokoso Japan! 大使に任命されている 権威ある方なんですね!

ちょっと、興味深い講演会です。

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 温泉入って
 温泉のお話を伺って
 おいしいお料理をいただいて
 寝て
 また温泉入って
 11月の紅葉を見て帰る


なんて、ちょっと癒される秋の小旅行ですね。


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# by ebisu_roppongi | 2009-10-16 14:08 |

第141回直木賞 選評

前回、「鷺と雪」(北村薫) を読んだ後に、
いったい、選考委員は何を考えているのか? ということで

文藝春秋「オール読物」掲載の
第141回直木賞 選評も読んでみました。

選考委員は
浅田次郎、阿刀田高、五木寛久、井上ひさし、北方謙三、林真理子、平岩弓枝、宮城谷昌光、宮部みゆき、渡辺淳一
の、計10名

候補作は
「鷺と雪」 北村薫、「きのうの神さま」 西川美和、「乱反射」 貫井徳郎、「秋月記」 葉室麟、「プリンセス・トヨトミ」 万城目学、「鬼の足音」 道尾秀介
の、計6作品


鷺と雪の評価についていえば、

好意的なのが、下の3名程度

浅田次郎
最小限の提示で、他社の想像に委ねるのが、文学的本義であり、本作は文学的良心の結晶である。

井上ひさし
最後の場面を、周到に書かれた芸術の達成と、評価。

北方謙三
上流階級の虚飾のあやうさが、時代相の緊迫と巧みに重ね合わされている。練達の筆である。


どちらかといえば、批判的なのが、やはり3名
阿刀田高
誰に何を訴えている、愉しませているか、かわからない。受賞に関しては、文学観の違いかもしれないので、多数意見に従います。

渡辺淳一
リアリティがない。舞台となる昭和初期の雰囲気が描けていないし、お話そのものも、頭で作り出された意見を出ていない。
まったく、同感である。

宮城谷昌光
優雅さが少なく、明暗が判別できない。著者のサービス精神を問わねばならない。「後楽」の思想を忘れるべきではない。


シリーズ物として評価しているのは、2名

宮部みゆき
シリーズの愛読者?的なコメント

林真理子
ベッキーさんの登場回数が少なくて、魅力が減った。


ちなみに、短編集である 「きのうの神さま」 西川美和について、下記7名の評価が高い。
浅田次郎  少なからず衝撃を受けた
阿刀田高  心に残る作品
五木寛久  もっとも文学的な才気を感じた
北方謙三 収録された「1983年のほたる」は紛れもなく秀作
林真理子 溢れ出る才能が、別の器を満たしている。
宮城谷昌光 収録された「1983年のほたる」は紛れもなく佳品
宮部みゆき 美しい文章、立派な作品


にもかかわらず、他業界からの参入の西川美和ではなく、
キャリアの長い北村薫が、賞をとってしまう。
西川美和には、次回にも期待したい、様子を見たい、等とかいって。


なんだか、業界の古だぬきが集まって、出版社の意向を汲んで、なあなあで決定しているようだ。

直木賞という、ネームはあんまり信頼しちゃいけない
という風に思いました。
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# by ebisu_roppongi | 2009-09-24 17:04

鷺と雪

「鷺と雪」(北村薫) 文藝春秋「オール読物」掲載

齢60のミステリー作家北村薫の直木賞受賞作である。

解説などによれば、これは作者の2003年開始のベッキーさん三部作の最終編であるとのこと。
また、作者は当初から、昭和11年の二・二六事件を結末とする予定だったとのこと。

知らない。 そんな決まりごと知らない。

文学賞受賞作というものに、そんな、作者の決めごと なんか 関係あるのか?

ただ、単独にその作品を読んで、評価するべきではないでしょうか。

主な登場人物は、
主役の女学生、運転手のベッキーさん、女学生の兄、女学生の学友、
そして、(どういう経緯で知り合ったかよくわからない、)女学生が少し想いを寄せる若い将校

ただ、読み始めは、時代感覚を伝えるためか、やたら銀座界隈の説明だったり、
兄による、ドイツ文学(or哲学)の論評が続く、
また、学友との細かなやり取りがあるが、全体的なストーリーとの関係性が私にはよくわからない。

いわゆる、玄人受け 系の 小説なんでしょうか?

ちょっと、資料を読んで得た知識をただちりばめてみました。 的な
その文体が、ちょっと精緻でしょうか、 みたいな。

直木賞って、新人作家(、もしくは、中堅作家)が受賞対象って 言うわけだから、

こんな、功労賞的な 受賞は変だよ。。。

こんな作品全く、受賞するべきではない。
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# by ebisu_roppongi | 2009-09-21 00:08 |